もっとわすれる!

面白かったテレビ・YouTubeについて書きます note▷ https://note.com/131_taka

エッセイ

遠野遥「改良」を読んで ー人間として、ヒトとしてー

人間は、怒りに支配されてはじめて動物としての可能性を最大限発揮できるのではないかと思うときがある。それはこんな作品をはじめとする「アート」と落ち合う瞬間だ。遠野遥の作品には、社会的動物としての人間と動物としてのヒトの相反する二面性がスクラ…

今日で学生が終わり明日から社会人になる!

卒業式に誰かに貰った花束を抱えて写真を撮ることも、バイト先の人たちにデザートプレートで見送られることもなかったけれど、今日で学生が終わり明日から社会人になる。 体じゅうの卑屈さと鼻持ちならなさをわきがのように撒き散らしながら上京した2019年4…

色んなさみしいの中の一つ

人が自分らしく生きられる(≒無敵)のは「自分が悪いと思っていない時・自分が悪くないと思い込んでいる時」なんじゃ無いかと思う。 何か社会的な問題が起きた時にTwitter上で正論をつらつら書く人たちを見ていつも不思議に思っていた。だって、その人たちは文…

コミュニケーションを諦めない(特に余裕のある時には)

このまま本当に学生生活は終わってしまうんだな、と思っている。何か実のあることを、何か自分をパワーアップさせるようなものをと思いながら何もできていない日々が悶々と続く。 留学から戻って3ヶ月が経ち、インターンを初め、本音で話せる友達にも寂しく…

僕が今日乗った全ての電車について-時空的拘束と生活との交わり-

○ここが調布か?ここが調布なのか?と首をもたげながら過ぎて行くたった7駅の京王相模原線区間急行本八幡行き各駅に、言われもない哀愁の心持ちがするのです。 ○JR中央線快速八王子行き、閑散とした車内、時差出勤に感謝した日を忘れた目はうつろ。 ○他人の…

「アート」を見つけにいこう

アートを誰かがこう定義付けた。「受け手を能動的にする力を持っているもの」。それならば!と思って、僕を能動的にする全てのものごとを「アート」と呼ぼうと決めた日がある。形や機能を頭で理解しなくとも、心がナチュラルに自省を始めるようなものごと。…

現在地 2023.02.14

ありもしない島へ到達する。真っ直ぐの道の途中で右に曲がる。それが僕の当面の到達点であるらしい。それらは文章にした時の文法的容易さに比べればかなり難しい代物である。 僕はしばらくの間この島に両足をつけて立ってきた、そしてここへ来て出航を求めら…

気温は0度を下回り、雪も降った

10月21日から11月6日までの生活の断片 気温は0度を下回り、雪も降った。そんなこの街のことを、僕たちはしばしば小さいと言う。「小さい」の中に、退屈さや胸を打つものの鮮少さへの嘆きをそっと忍ばせている。だけれど僕は近頃、この街になんとも言えぬ愛着…

バンクーバー、もうすっかり慣れた頃の3日

10月4日 9:08pm 緑色の口紅を塗った人に微笑みかけられて食い殺されるかと思った 9:11pm 何かしら身体的経験を伴わないと残らない音楽たちだ 9:42pm 同じギターを弾くでも、今日は力強く弾いてしまうとか指が上手く回らないとかがあるね。 5日 9:35am 大きな…

〈眠る•恋する•消費する〉退屈だけど都市が好き!〜岡崎京子『pink』を読んで〜

うとうと、眠りに落ちる直前寝ぼけた頭で考えていた、「ねたい・ねむたい・ねむりたい」の違い。一つずつ音が増えて、少しずつ意味もちがう。頭にはI'm sleepyがふわふわ浮かんできて、それを日本語言うと何になるか考えていた。おそらく一番妥当なのは「眠…

日記⑩+⑩+⑩+①チラシの中から買うものを見つけてる

8月30日 角舘健悟、ありがとう僕の脳内の宇宙、そこには土星の輪のようにして花が散らばっていたり、人々の笑顔が混じっていたりするけれど、そのイメージを形作ったり支えたりしているのは角舘健悟の作ったyogeeの曲たちなんだよな。ここのところ「共感」に…

ことこと煮込んだ夜の灰汁

同じ本を同じ期間に読んで、どこがどう面白かったか、いわゆる読書会を仲良い人たちでやりたいな あれほど乗るのに苦労した自転車を、一度習得すればたとえ数年乗らずとも乗りこなせるのはどうしてだろう、って駒付き自転車16インチに乗る子どもを見て思った…

つぶやきたち

「A.I.が入力した二つのワードから画像を作るツールがあって、その精度の低さとか支離滅裂さが面白がられてた」「SNSは精神衛生上良くないから離れようみたいな動きがあった」ってことが10年後くらいに語られてそう 夏の夕方、腹が減りすぎた状態で焼肉屋に…

君の思いはちゃんと届くわ

常々から思っていることの一つ。他人の意思をくみ取ろうとする僕に備わった力の厄介さ。常に僕を取り囲む誤解への恐怖と冒険心。「声に出して言っていないことはまだ存在していないのよ」って誰か言うたびに、あ、存在。って心が反応している。僕の心の中、…

"Today is gonna be the day that..."

雪の降った夜、ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」を借りにレンタルビデオ屋に行くと、既に誰かに借りられていた。"チクショー"と言い捨てて代わりに「勝手にしやがれ」を借りた。お酒とポップコーンを買ってうちに帰り観た。何時に寝…

クレンジング

近況。今年最初の一ヶ月が今日で終わるにあたって、2022年、これはなかなかいい年になるのではないかしらんという滑り出し。1月の中頃までは自意識は例年通り濁濁しい茶色をしていたが、ある一冊の小説がこの人生まるっと20年間を受け止めてくれた。想像力。…

Sat,Jan 22nd②

(①の続き) 新緑色の都営新宿線に乗る。聞いたこともない駅とよく知っている駅がつながっている。 幡ヶ谷は初めて訪れた時、既に何度も訪れたことのあるような気持ちになった。目的としていなかったのに気付けば幡ヶ谷に来ている、みたいな不思議なことがそれ…

Sat,Jan 22nd①

目を開けてみたがベッドから立ち上がらないことには鳴り止まぬアラームに、ぼやけた脳でも怒りのランプがはっきり灯る。起きたときの意欲に耳を傾けよ、と自律神経について特集が組まれた雑誌で読んだので、ここのところは自然に起きぬけの意欲に耳を傾けて…

住めば都論争/生まれ落ちるという事件

はっきり言うておきます、ド表明。「住めば都」という言葉、これを盲信してはいけません、と。僕は東京に、もうすぐで丸3年になりますほどに住みましたが、まるっきりです。「住めども田舎」もあるわけです。大阪・天王寺に15年住んでから東京の多摩へ出て行…

日記⑩+③ ('マジさ'と'ひょうきんさ')

9月10日 最近親しい人と話していて気付いたのですが、僕は現状の自分に満足しづらい性分らしいであるらしいです。(部分的に)常に変わっていける、まだ改善できると考えてしまう。俗に言われるネガティブや自己否定とはまた違うと思うんですね。今の自分はあ…

日記⑩

8月23日 昨夏受けた手術の経過を見てもらうためかかりつけの皮膚科へ。それから調剤薬局へ。「結構久しぶりですかね」の「久しぶり」のイントネーションに温もりがある。黄色の声色。テレビではお昼の番組が流れていて、老眼鏡をかけた60代と思しきおばさ…

日記⑨

8月21日 所狭しと並ぶ向こう側のビルやマンションを車窓に臨む。東も西も、日本の中だと大抵同じような色合いになる。白や茶色やベージュといった控えめなコンクリートの色に、山に映える緑とグレーの空。太陽を隠す雲は薄黄色に染まっている。そういう景色…

日記❷

7月15日 自信だけじゃどうにもならないことをこれ見よがしに見せつけてくるくせに、自信を持てというのはあれに似てる。 『はい、御社が第一希望です。』と似てる。 自信はありません!/御社は第二希望です!という人より、自信があります!/御社が第一希望…

日記⑧

8月19日 短すぎるネクタイや新しすぎるビルはかわいい。すぐほどける靴紐や流行歌を垂れ流す地下街もまた。ガラガラを引きずる、タイルを跨ぐたびに音が鳴る。誰かが咳払いをした。少し怒っているっぽいそれ。かわいい。みんな元赤子。だからかわいい。 8月2…

日記⑦

8月17日 実家に帰った。JR大阪駅から環状線外回りに乗ると見えてくる企業のキャラクターが24℃を示していた。「さっむ!」『さっむいな!そんな薄着で大丈夫?』「これ案外生地ごついねん、ほら」『ほんまやええな、乾きにくそやけど』「そやねん、脇の下な、…

日記❶

6月2日 自分の今、この瞬間に好きな物々をぐるっとまとめて名前をつけたくなるとき。長場雄や今泉力哉作品ポスターのタイトルのフォント等のゆったりしたものを色々繋げて関連性に名前をつけたいんだけれど、これなかなか難しい。 自分の好きなものがみんな…

あちこちいたくて、ところどころくすぐったい

自分で自分の機嫌を損ね、自分で自分の機嫌を取り始めた辺りからだと思う。自分という人間の範囲〈レンジ〉が定まり始めたのは。まったく、人格者なんて言葉を作ったのはどこの誰なんだろうか。もし一目会えたら、顔色を伺い、嘘で塗り固めた"本音"で人格者…

日記⑥

6月28日 更新が長らく滞っていた。なんの取り止めもない日々を、かといって寝る直前にその日一日を後悔するわけでもない、そういう日々を送っていた。起きながらにして後悔するYouTubeの動画を貪るような夜更かしもせず、午後に目を覚ます日もほとんどない。…

図書館奇譚

小川洋子の文章を読むたびに感じる「わからない」という感覚。そのぼんやりとした感覚を少しでも明瞭にするため図書館へ赴き、小川洋子『妊娠カレンダー』について書かれた論文を探した。蔵書検索によると書庫にあるというので、カウンターで資料閲覧のため…

日記⑤

5月24日 中学2年の頃からライブハウスでライブを観るようになった。あの頃は邦ロックという言葉が生まれ、盛り始めたような時期で勢いがあった。次々に新進気鋭のバンドが現れてはライブハウスのキャパを増していき、14歳だった僕は大きなカルチャーの渦の真…