もっとわすれる!

面白かったテレビ・YouTubeについて書きます note▷ https://note.com/131_taka

👓と🧹と『はな恋』

 高校を卒業した直後に祖母から買ってもらった眼鏡を久しぶりに手に取ったのはただ目が悪くなったからではないように思う。

あんなにも調整してもらったのに、家に帰っていざ着けてみると度がきつくて少し気分が悪くなった。買ってもらったことを少し後悔し、祖母への罪悪感に蓋をするように遠ざけていた丸い眼鏡。久しぶりに手に取ると、なんだ世界はこんなに鮮やかでくっきりとした輪郭を持っているのかと感嘆した。ショッピングモールの側面に多数ある企業のロゴが、あんなにも煌々と輝き、立体感を帯びていることに気付く。

 

ハタチを前にしてまだまだ僕は世界に感動できる。こんなときに都合良く"神様"というワードを出さないほど大人になってしまったことも実感する。

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 突然、部屋を片付けたくなったことも眼鏡を手に取ったことと無関係ではないように思えてならない。何を収納するかは曖昧なまま、突然収納ケースを買いたいと思い立つ。5分歩けば百均があるのに、思い立ったそこが偶然無印良品であったがために1個120円で買い揃えてしまうのは本当に僕らしい行動だと思う。

 

 もう一つ、最近の変化としては、知らない音楽を一曲聴き通すことが苦痛で無くなってきた。僕はせっかちなので(慢性鼻炎による息苦しさが原因だということにしている)知らない曲が流れてきて、ボーカルの声質や、ギターのちょっとした歪みが自分の好みに合わないと脳で判定されれば即座にAirpodsを付けた右耳をポンポンと叩いていた。が、最近は未知の曲をじっと聞いていられる。これは一見良いことのように感じるが、音楽に自分なりのマルとバツを下す感覚が鈍くなっているのではと、全ての原因を(早すぎるが)""老""に求めているようなところがある。おっさん深夜ラジオの聴き過ぎだな

 

冒頭からつらつらと何の話やねんと握り拳を作った方、お帰りください。お気をつけて!地面の方滑りやすくしております。しとんかい!


まあざっくり言えば、人間、自分を変えたいという潜在的意識がある日突然顕在化し、新たな行動をしているということです。

 


例えば女性が髪をバッサリ切って出社し、おっさんの上司が『どうした?失恋?』なんていうシチュエーションがある。古くて、ベタで、もし日常に起これば笑いが起きるのではというほどの場面である。しかし、"髪をバッサリ切った"女性側にもそれを望んでいたフシがあるように思えてならないのです。もちろんそれを失恋に直結させるところが古くてイケないぞ、というわけなのですが。

 


或いはある日突然こう思い立つ。「そうや、日記書こ」と。周りの人は思う。「え?なんで?なんで?僕、『日記書いて』って頼みましたか?頼んでないですよね(和牛水田)」「頼んでないですねぇ〜。失礼いたしましたぁ…(川西)」

日記を書くと、後から自分の行動を第三者の視点で振り返ることができる。自分は傍から見たとき、果たして実のある日常を送れているか?(「そして半年が過ぎ・・・」で片付くような日々?)同じような日々にも異なったアクセントを付けていくことを可能にするのが日記である。

 


日々思い立つ行動の中には自身の潜在的な変化欲求が表層化したものがある。時には立ち止まって自分がどんな変化を望んでいるのかを考えてみるのも大事なんじゃない?!とハタチを迎える前に(自分に)書き残しておきたかったことです。

 

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P.S.映画「花束みたいな恋をした」を観た。初めて公開日に映画館で観た。唯一名前と作品がセットでわかる大好きな脚本家・坂元裕二が脚本を書き、大好きな(関西人の!)菅田将暉有村架純が主演。情報解禁した1年以上前からこの日を待っていた。そんな映画、初めてだ。(エキストラにも応募した!日程が合わず参加できなかった、無念)

 


2015年〜2020年、5年間の物語。

カップルが抱く感情や心の機微、経年変化、男女間のちょっとした考え方の違いなどがリアルなのはもちろん、この年代のサブカルチャーが緻密かつリアリティで満ちていることに感激した。

 

Switchのゼルダ(マリオじゃなくて)、漫画AKIRA、ルミネ天竺鼠単独ライブ、ジャックパーセル、、、チョイスが絶妙でした。

 


特筆すべきはAwesome City Clubだ。彼らがアルバムを2枚リリースし、活動を本格的に始動した2015年、当時15歳の僕は彼らの音楽に心酔し、フェスやライブハウスで(the band apartとの対バンは体中に電気が走った!)彼らの演奏をよく観ていた。そのノスタルジーと当時のオーサムを知ってるぞという淡い優越感も相まって、劇中でLessonやアウトサイダーが流れたときは思わず身体を揺らしそうになった。

 


映画のインスパイアソング・勿忘もオーサムらしいあったかさと煌めきがふんだんに詰め込まれた楽曲。

プレゼント箱から吹き出すラメのようなキラキラ感はオーサムに唯一無二のものだと再確認した。


Awesome City Club / 勿忘 (MUSIC VIDEO)

 


この映画にはサブカルチャーの固有名詞が多く登場した。観客はそれを知っている時、ささやかな優越感と登場人物への共感を抱いて心地よくなるし、知らないからといって寂しい気持ちにもならない。マニアックだなあと登場人物が微笑ましくなるかもしれない。映画特有の不思議なスパイスだと感じた。

 


いずれ歳を重ね、15〜20歳という自分の礎を築いた5年間を振り返るときも、永く寄り添うような恋人ができたときも、心の奥の方から出してきてアルバムを大切にめくるように観る作品になっているだろうな〜と思う。

 

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↑観た人はパンフレット買うた方がええな〜思うで!天竺鼠の単独のチケットも付いてる!

 


再P.S. 人生一の尿意に襲われていなければ泣いた。

二位は中3、部活の合宿帰りのバス。文の里から学校が3千里に感じた。

 

ミッフィーちゃん。