もっとわすれる!

面白かったテレビ・YouTubeについて書きます note▷ https://note.com/131_taka

腹減ったーーーーー!& あーーお腹いっぱい。

空腹。身体のど真ん中にぽっかーんと大きな穴が空く。あるいはずどんと。それが空腹。全神経がその穴に集中、危うく全体吸い込まれるほどの引力にまるで力が入らない。空腹は白米を思い浮かばせる。身体全体が白米に恋焦がれる。焦燥。はやる気持ち。空腹の時はどんな気の利いた洒落も笑えない。どんな些細な悪戯にもかわいたマグマのような怒りが湧いてくる。それをコントロールする力もない。

空腹の時はかえって「申し訳ございません!」をすっと言えたりする。それは申し訳ないと心から思う力が著しく低下しているからだ。

空腹の時に聞こえてくるあどけない子どもの声なんかは一触即発、大変危険だ。だまれだまれだまれ!どんなけしゃべんねん!ガキ言う、おなかいっぱい×4。わて、おなかぺこぺこ。ギャップ。あいふぃーるらいくきりんぐざきっどー、んー、れありー。空腹は怖い。

空腹は怖い。バイトしてた時は毎日思った。空腹は人をいとも容易くあうとおぶこんとろーるな状態にしてしまう。空腹、それは一刻を争う非常事態。そして食事、口にものを入れるという生死を掛けた活動!それ即ち死活問題。例えばこんなケース。妊婦さんがオーダー、カルピスくださーい。はいよ!お待たせいたしましたー!ごくごくっ、くぅーうっま!なんか久々な感じするわ、なんかうめぇわこの感じ、ちょっとあんさんこれ飲んでみんしゃい、ごくごくっ、あんさんこらこら、わちきの飲みもんでっせ飲み過ぎ飲み過ぎ、プハーうっめ!っておい、これお前カルピスハイやがな、ハイ、入ってもーとんがな、そらうまいがな、ガブガブいってもたがな、こりゃ堪忍、ってそんなこと言うてる場合か!てなことになればもうこれは絶対的にあかんわけで。飲食店が提供する口に入れるものへの全面的信頼、とそれに伴う果てしのない責任、によって引き起こされる社員のピリピリ、に呼応するアルバイト君の胃のキリキリ。

空腹時にオモう、食事という行為のおぞましさ。そして生きるというパワー。作家の朝井リョウ、かく言う。食事しているところを見られるのは恥ずかしい。なぜならばあまりにも生きようとしているから。この意味、空腹の今、ほんのちょっとわかる。マナーに則ったフレンチ、これはある種芸術、食べる芸術である。見られても良し。見られても良しな食事態度を心がけるべし。しかし、である。労働後駆け込み牛丼アタマつゆダクダク、これを見られるのはどうか、という問題。あまりにも手っ取り早く生命を引き延ばそうとしている気がせんでもない。中村航かく言う、考えすぎ。作家も言うのね、考えすぎ。

 

p.s.三浦瑠麗さんも食事は恥だと言っていたな。リンクリンク!リンクする自意識!