午前8時だというのに空は低く太陽は遠く 乳白色の一色に覆われた一箇所ぽっかりと光の輪、僕はそれをポンデリングみたいだと言う
星条旗がだらしなく萎れているのが見え、僕と君は途中までしか知らないアメリカの国歌を口ずさむ、あくまでも意気揚々と
気だるさに身をもたげて何度だって眠る朝、ダウンタウンからおよそ1時間の、郊外然とした広い道路沿い(片側4車線だ)のホテルの僕の部屋に、車が突っ込んでくる映像が頭の中に流れる、それはフォードか、シボレーか。
マイケルジャクソン、シドヴィジャス、カートコバーンら、暗い部屋の中で何かを抱えながら死んでった人たちが思い浮かぶ。僕はいつのまにかシドヴィジャス享年の歳を生きている。
"Somehow, Michael Jackson, Sid Vicious, and Kurt Cobain who breathed their last in dark and depressed room came into my mind. Unknowing gly, I am at the age of Sid's death."
バスの揺れもいささかアメリカンな感じがする。
映画『パターソン』の中に、ある黒人がコインランドリーで洗濯が終わるのを待ちながらラップの練習をしているシーンがある。僕はそのシーンが好きだ。まずなによりもフロウが気持ちいいんだ、たとえ言葉はキャッチできなくとも。
そして次に、この映画はジムジャームッシュ作品特有の、日常のおかしみ(言葉にはしないあれこれ)が露骨すぎない繊細な形で描かれている。主人公の愛犬は言葉にはしないあれこれを象徴する存在だと僕は感じる。表情や、ぐすんと鼻を散らすところが特にそう。シアトルの街角で自作のCDを配布している黒人たちを見てそういうことを思い出していた。
ゴッホは色を細かく識別できなかった、と動画は説明した。"僕はしばしば夜の方が昼よりも豊かな色彩を持っていると感じるんだ"というセリフがあった。感じられないということは感じること以上に多くのことを想起させ、そして時に"感じさせる"ことができる。想像は、そして時に創造は、"感じられない"ところから出発する、と僕は思った。
創造は無限大の可能性の中にある、と思われがちだけど、僕はむしろ有限性の中の偶然にこそその価値があると信じてみたい。
poem
"星の瞬く夜に、僕は自分で雨を降らせたんだ。窓の外と、それから心の中に。それで僕はしたたる雨のしずく越しにこの街と心の中とを透かし見た。星の放つ光線は水の中で濁りながら全てを絡めとった。ぐるりと渦巻いたりしながら。雨音はどこまでも不規則なリズムで僕を飽きさせなかった。僕はベッドから出て一度しわくちゃになったお布団を綺麗に整えたのさ。満天の星空に自分を放つにはそれなりの準備が必要だと思ったから。体をもたげると次第に心地の良い雨音が遠くなっていく。僕を昨日に追いやる音がした時、朝を待ち望む眠りについた。"
On the starry night, I let it rain myself. Outside of windows and inside my mind. Through the raindrops, I look down our town midnight and do in my mind. The rays of light from the stars wrapped whole of the world, muddying and twirling in the drops. The irregular rhythm sounds of the raindrops kept me never bored. Once I got out from bed, and I made my bed. This is because I thought I should do such a preparation to drive me starry sky. After I lay down it, gradually the comfortable sound by raindrops had been going away and the sound that leave me behind came into my ear. At that time, I fell asleep with hoping the morning would come.
