雪が町の至る所に固められている。街角からは時折、がりっがりっと雪かきをする音が聞こえてくる。まだ誰の足跡も付いていない、ショートケーキのクリームのように神聖な雪に足を踏み込めば、ざぐっという心地よい音を立てて身体が沈む。
この三日間、青森と函館を訪れた。視界に雪が常にある景色はゲレンデ以外ではほとんど初めてで、その景色は学校が突如休校になった時の浮き足立つ気持ちを思い出させた。そして朝には足とお尻に筋肉痛を発見し、僕が雪を注意深く踏み締めたことの直接の証明を得た気がして嬉しかった。この気持ちはあれだ、身体の不調にお医者さんが名前をつけてくれる時の気持ちに似ている。
雪国は童心に帰ることができる！
