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「高熱の時に見る夢」の分析

「高熱の時に見る夢か!」

 

というたとえツッコミ常套句になってしまった。意味としては、荒唐無稽なさま・混沌とした様子・脈絡のないさま・常人には理解の追いつかない状況、言動、行動(ツッコミを誘発するようなフラストレーションを伴うほどの)といったあたりだろうか。

僕はここのところ丸二日、高熱にうなされ、起きながらにして(覚醒と睡眠のはっきりとした境もなく字義通り朦朧としながら)この"高熱の時に見る夢"を見続けていた。ここでは、その夢の断片を思い出せるだけかき集めて、「高熱の時に見る夢か!」を分析したいと思う。

 

後頭部が痛すぎること、起き上がることもままならぬほどにカラダの内側が機能不全であること、とほとんど並列に、脳の中に流れる映像や呪文のようなフレーズの永遠とも思えるループが煩わしかった。

消えろ消えろ、と脳内で唱えた途端、「消えろ消えろ」というフレーズがシャーレの中で分裂を絶えず続ける微生物のように広がり、拡張し、かと思えば整列して行進をし始めたりして本当に煩わしいのだ。消えろがきえろに変わり、キエロに変わり、kiero、に変わり、キ/エロに分裂して、ero→えろ→エロ、となって、だから何?と脳内で口答えをすればまた後頭部は痛み、思考よ止まれ、と念ずることも全く意味をなさないことを突きつけられて寝返りを打つ。

またある時は、今の今まで忘れていた人との些細な思い出がフラッシュバックして、追体験を迫られる。同じシーンを、何度も同じように演技することを迫られるのだ。なぜか何度も、同じことをさせられる。同じことをしていると気付いているのは自分だけで、訴えようにもそこは自分の意識の及ばぬことらしく、また同じ映像を脳内に流されてしまう。

またある夢では、罫線の間で文字が書き進められていくのを、カメラがものすごく近い距離から捉える。それは英語で、"He could accept"が含まれていたことだけ覚えている。夢の中なのにも関わらず、僕は文法的に正しいことを書いたらしく(誰にジャッジされた?)悦びに満ちた気持ちで一度目が覚めた。夢から覚めても身体は相変わらずの調子だった。

次の夢は、今回見たわけではなくこれまでの人生で経験した何度かのインフルエンザの度に僕が見た夢の話。夕飯の団欒の音を下の階に感じながら何度も何度もこの映像を見た。それは、スーパーマリオブラザーズの1-2のような暗い背景の場所に白い線で左上から右下に段差が描かれる。一段一段、かなり段差が大きい。そこを左上から色鮮やかな三角や丸が転がってくる。それはちょうどプール教室や体操教室で端の方に転がっていそうなもの。ただそれだけ。これがエンドレスに僕を苦しめた。

 

「高熱の時に見る夢」には共通して、それ自体が苦痛を伴ってくるということが挙げられそうだ。終わってくれ、と心から望む一方で、その夢の理解不能さ、或いは単純さ、何度も繰り返されることにやり場のない怒りがふつふつ湧いてくる。何の意味がある?こんな考察、これを書いたこと自体が夢のタネになりそうだわね