もっとわすれる!

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ikitsuke

行きつけのお店を作ろう、みたいなコピーが仮に雑誌の表紙にでかでかと載ったらば、みんなの行きつけを僕の行きつけにするのは"行きつけ"としてどうなんだ、とありもしない行きつけの品格を気にしてしまうと思う。

僕には行きつけのお店はそう多く無くて、店員さんと気軽に打ち解けられるほどすぐにうちっかわをべらべらと話せる性格ではないみたい。ある程度自分を知って、記憶していただいて、っていうのには段階が要る。自分で勝手に通っているだけの行きつけと、自他共に認める(店員さん側からの認知を得ている)行きつけにはそれ相応の隔たりがある。後者の行きつけは僕には2つしかない。

そのうちの一つは、実家から歩いて10分足らずのところにある古着屋さん。高校生の頃から通っていて、オーナーさんはおばあちゃんのお店なんかにも食べにきてくれたこともある。最近は実家に帰るたびに必ず2回以上は立ち寄って、4人いるうちのその時店頭に立ってる店員さんと、東京はどう?やら、この辺の土地の値段が高なってるやら、そういう話をする。まあ居心地はええけど、男のノリって感じはする。

二つ目は東京で最近店員さんとお話しするようになったカフェ。家からは2駅分、4kmちょっとあるんやけど、ジム行った帰り、とかバイトの行きしな(とはいうてもバイトの駅のさらにもひとつ向こうの駅にある)にチャリで行ってる。こんつめて通うようになったんは秋になってからで、その前にも2回くらい行ってた。春に村上春樹の『一人称単数』をお借りして、秋までパクってたわけなんです。すみません。ものすごく気さくな店員さんは少し女性的な部分があって、柔和であたたかくて、僕にはこういうノリの方が多分あっている。店員さんと二人きりになるのを密かに待って、お客さんが誰もいなくなってから二人でぺらぺらとしゃべる。あの店員さんには割とウチウチのこともスーッと話せている。向こうも結構笑ってくれはる。そしてなんというてもハンドドリップのコーヒーと、チョコレートバナナマフィンが絶品なのだ。

 

年末には、"良いお年を"という弾丸を込めてから店に行ったり人と会ったりする、あの感じがとても好き。"良いお年を"と言える関係性の確認作業、あれはけっこうイイもんです。人のことを荒くイジって「俺はイジれる位置におるよな?」と逐一関係性を確認する(男性に多い)ノリはかなり苦手やけど、"良いお年を"の確認作業は誰も傷つけないし、文化に浸れている・所属できている感じがするからけっこう好き。