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NewJeansについての考察 その①(原)

  昨年7月、彗星の如くK-POP界に舞い降りた5人組ガールズグループNewJeans。デビュー時の平均年齢16.4歳もさることながら、今までのアイドルソングとは一線を画した緻密で聞く者を飽きさせない楽曲、Y2Kの要素を取り入れたコンセプチュアルなアウトフィット等、魅力を挙げると枚挙にいとまがない。しかしそこには無い、彼女たちを「女性」として見るファンの眼差しが。過去、2NE1やSISTARといったいわゆる第二世代のアイドルが「ガールクラッシュ」というコンセプトを打ち出した。男性的なマッチョさのアンチテーゼとしての女性をも魅了する高らかで美しい女性としてのアイドル(偶像)である。そうしたセクシーさによる確固たる女性像の姿勢を引き継ぎつつ、第三世代に当たるBLACKPINKやMAMAMOOは、「ガールクラッシュ」に自然体な自信を反映し、他者からの視線にではなく、セルフラブに軸を置いた強い女性像を打ち出してきた。

  NewJeansには、このアイドルの「女性性」が意図的に排除されているような感じを受ける。アイドルとしての孤高さよりも、所属するコミュニティ、或いは自分自身に向けられる違和感のない「等身大」の姿を映すことが彼女たちを特別にしている。ここで言う「違和感の無い」とはZ世代、ミレニアム世代と世代を超えたBUNNIESが共感を持てるペルソナとして機能する点において言える。しかし、彼女たちの存在の根幹を支えるのは圧倒的なビジュアルと、年齢が生むある種のタブー感を伴った「聖域を有している」という従来のアイドル(偶像)性である。「私の姿だ」とどこかで思えるのと同時に、「絶対に近寄れない」とポジティブに思わせることができているのだ。この絶妙なバランス感覚はプロデューサー・ミンヒジンの手腕によって生み出されている。

  コカ・コーラマクドナルド、リーバイス、ナイキといったアメリカを代表する歴史のある企業のタイアップに加え、それぞれのメンバーが、シャネル(ミンジ)GUCCIアルマーニ(ハニ)、バーバリー(ダニエル)、Dior(ヘリン)、ルイ・ヴィトン(ヘイン)といった世界的なブランドのアンバサダーを努めている。デビューから間もない彼女たちの異次元級の活躍は、NewJeansの全く新しいアイドルとしての魅力を裏付けるものとして機能している。