もっとわすれる!

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日記⑩+⑩+⑩+⑩+⑩+⑩+⑩+⑤

柴田聡子のコンサートに行った。メロディの親しみやすさや、ノンバイナリーなワクワク感をまとっている割には知名度が「んー?」って感じでこれまでさみしい思いをしてきた。何よりこんなに曲が良いのに!

今夜、二時間、柴田聡子を好きな五百人くらいの人たちと、しっとりとした静けさの中でその歌に耳を傾けられてとても良かった!

セトリには好きな曲が並び大満足。(Synergy、後悔、雑感、ラッキーカラー、心の中の猫、友達、、、。)

今まで弾き語りコンサートはあまり好きじゃなかった。単調に感じられて、途中で飽きてくる自分に嫌気が差すから。別の考え事をし始める自分が、情けないし、何よりもったいない!と思っていた。今日のコンサートで、それでも良いと思った。柴田聡子はそういうアーティストだった。曲に記憶がよく絡まっている。コンサート中、曲を聴いてありありと浮かぶたくさんの記憶の中を浮遊して散歩した。

去年の冬、雪降るカナダの道、小径、ちょっとした森の中で、ザクっと雪のこわれる音を身体で感じながら聞いた曲々。当時感じていたこと、クリスマスが近付く時のあまりにも無防備な喜びやさみしさ。蘇った〜。特に、「雑感」はやばい。毎日のように16番のARBUTUSのバスで通ったSafewayのシリアルの並ぶaisleが蘇る。どこから来て、どこへ向かうのかも知らない同僚たちの顔が蘇る。

あまりの大雪にバスが動かず、Sea Busを使ってノースバンクーバーへ渡ったあの日、乗ったことのないバスの中で誰しもが何かの約束に遅刻している、約束など何も意味をなさない、雪のもとで人はとても平等だったあの日の、車窓に見えた雪かきおじさんの蛍光色のヤッケ。

またある日、一人で散歩をしたキツラノビーチの、ひっそりとした住宅街にあったカフェの壁の抽象画とか。その時の思い出がしっかりと蘇って、みんなの拍手でハッと我に返る。そういう時間だった。とっても良かった!

コンサート終演後、ドアからはすーっと冷気が入ってくる。ああ、きた、この冬がきた。夏の到来はわざとらしいが、冬の到来は空も灰色だったりして申し訳なさそうなのが良い。良い、良くない、とっても良い。とっておきの冬になる気がした。

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